【What's On】2025年の川口智子
【SFXホール(くにたち市民芸術小ホール)・多和田葉子・複数の私シリーズ 2025年は多和田さんの「ひらがな」による戯曲『さくら の その にっぽん』を上演します🌸 チケット販売が始まりました🎫 上演は11月2日&3日!】
今年も国立の市民のみなさんと共に多和田葉子戯曲に取り組みます。
すでに7月からゆるゆるとプレ稽古が始まっており、いよいよギアを入れ始めてのお稽古です。とはいえ、ひらがなで書かれた本をそのままひらがなで覚えていくという作業自体が難しいですから、あんまり急がずにね。戯曲の世界を遊びながら、じっくり進めていきたいと思います。
以下、チラシより
ーーかみは おんよみにすれば しんだ かみは しんだ
ーーそうだ かみは しんだ これからは なにもかも にんげんのせきにんだ
チェーホフの戯曲『桜の園』の変奏曲(!)、『さくら の その にっぽん』の上演を公募出演者15 名と一緒につくります。
戯曲を開いてみれば、そこは、ひらがなの庭でした。読み進めていくうちに、ひらがなはかみのうえでおどりだして、かんじほどきゅうくつそうでもない、かんじほどいみにしばられてもいない、なんだかじゆうなそっきょうえんそうのようにひらがながおどっています。
問題は、これをどう舞台にするかで、『さくら の その にっぽん』をやらなきゃいけないし、重なった地層の奥底から『桜の園』も聴こえてくるのですが、この途方にくれそうな長い時間を持った戯曲をくにたちで上演しようとすると、さくら の その にっぽん くにたち、ともうひとつレイヤーが増える感じがするのです。
「複数の私」シリーズでは鍵をにぎっている公募出演者のみなさんと、今回はじめましての振付家・砂連尾理さんと、多和田さんのひらがなのお庭で遊んでみようと思います。
FSXホール 公式ページ(チケットは国立市内の各所とカンフェティでのお取り扱いがあります・公式ページ下のORコードからお進みください)
(9月7日)
【今月のcon-cen「Wi-Fi」ありますよ! ゲストは馬渕かなみさん 9月30日(火)19:30~21:00 予約受付中】
第四回のテーマは、Q.ゲキジョウ? それとも、コーミンカン? ということで、わたくし・川口智子と、(仮称)コーミンカンの館長・馬渕さんとでお話いたします。
「ゲキジョウ」と「コーミンカン」もちろん、歴史的な成り立ちも違うし、現在の運用のされ方も違うと思います。でも、理念はどう重なっているのか、とか、どう活動や人の行き来がクロスオーバーしてきた/いくのか、とか、結局「ゲキジョウ」や「コーミンカン」ってなんなのか、という妄想の話を2人で一緒にできればと思っています。
馬渕さんとお話するのがとっても楽しみです!
(仮称)コーミンカン とても素敵な場所なので、是非現地でご参加くださいね。お待ちしております。
con-cen「Wi-Fi:Q.ゲキジョウ? それとも、コーミンカン?」予約サイト
(9月7日掲載)
【con-cen『恋愛のあなた(たち)・断章』山形県東根市の図書館・まなびあテラスに登場です📚】
夜の図書館×演劇!
なんて素敵な響き!
あし場企画ワークショップをきっかけにご縁をいただいている山形での活動、まずはcon-cen『恋愛のあなた(たち)・断章』が東根市の図書館に登場します。
”本”という存在自体がすごく重要な意味をもつ作品なので、こうして図書館という場所で上演できること、しかも図書館閉館後の「夜」! とても楽しみ。どんな上演にしようか、主演の稲継さんとまた新しい発明ができると思います。
『恋愛のあなた(たち)・断章』は今年このあと金沢ツアーにも出かけます。占いという形式が気ままに旅を導いてくれているようで嬉しいです。
(9月7日掲載)
【『宇宙のヒト』秩父公演+ワークショップ開催です🚀 9月23日(火・祝)】
今年レパートリーとして再演にはいった小さな劇場『宇宙のヒト』が秩父宮記念市民会館に登場です! 8月にはこの作品の生まれ故郷・FSXホール(くにたち市民芸術小ホール)での上演があり、再演らしく作品のこっかくがくっきりと浮かんだ上演になったことがとても良い。やっぱり演劇ってくりかえし上演していく、時間をおいて熟成していくっていうことがすごく「効く」感じがあります。
秩父はらびゅーで行けばそんなに遠くないし、緑のたくさんある、あと星が綺麗なので有名らしい場所なので、是非残暑の祝日のひと時を過ごしにお運びください。お待ちしております! そして秩父の子どもたちに会うのも楽しみ!
(9月7日掲載)
【いわきアリオス主催「おでアリ」2年間10回のワークショップが終わりました💮】
俳優・埜本幸良さん、大道芸人・せせらぎさんと共につくった劇場/影絵のワークショップが最終回を迎えました。2年間で10回。小学生から中学生までいろいろな学校に行って、たくさんの子どもたちと共に劇場の時間を過ごすことができて、とても幸せでした~。
広いいわき市内のいろいろなところも訪ねて、やっとなんだかいわきと親しくなれてきたような気がしたところでの最終回! 最終回では「来年もやりたい~」と言ってくれた子もいて、ちょっと寂しい気持ちもあったり? また機会があれば、「劇場」を刷新して新しいワークショップをつくる意気込みバッチリ。もちろん、いわきでなくても、まだまだワークショップの旅も続くのだなぁ~と。
2年間お世話になったいわきアリオスのみなさま、埜本さん・せせらぎさん、そして出会えたすべての子どもたちと先生方にも感謝を! まったね~!
(9月7日掲載)
【8月もcon-cenの「Wi-Fi」が飛びますよ📶 8月21日@(仮称)コーミンカン】
2回目も大変盛り上がったcon-cenのWi-Fi企画。2回目の様子はこちらから見てくださいね。Wi-Fiってなんぞやっていうことなんですけれども、インフラの一種。集まってお喋りしながら、劇場ってなんだろうということをユルく考えている場、かな。今のところ。ちなみに3回目のバナーにある写真=ソラマメ(アゲ)劇場は、前回、ステージとは?と考えていたときに出来上がった劇場です。かわいいですね!
で、3回目はついにゲスト登場。con-cenの中條玲と、ゲストの半澤裕彦さんでお話してくださる予定です。楽しみ~。予約受付中です。お盆明けにお会いしましょう!
con-cenのWi-Fi③ Q.いま東京に劇場つくるとしたらなにする? 予約はコチラ
(8月15日掲載)
【ガリバーは「西回り」になります⚓ 8月30日(土)・31日(日)@仁慈保幼園 乗れば乗るほどお得になる「同乗割引」また使ってくださいね🚢】
こちらもcon-cen!7月に「東回り」を実施した『ガリバー!!!!!』が「西回り」で再登場です! ははは、東回りと西回りと何が違うかって、それはこれから稽古場でやってみます! 乗組員は、中條玲と稲継美穂。そして添乗係に加藤仲葉。
一か月ぶりのクリエイション&”下北沢、あの通り!”に戻るのが、とても楽しみ~。ちなみに今、仁慈保幼園では、『ガリバー!!!!!』の小道具がギャラリーにかざってあります。通りかかりに見てみてくださいね。
せっかくなので、「東回り」から集合写真(笑) まだまだ暑いので、夏休み遠くにいってないわ~という方も是非、con-cenのJOURNEYで旅をご一緒に・・・!
【今年も小田原で「劇場留学」! 今度は『モモ』と音楽の旅🎵 出演者公募中! 7月31日(木)締切(必着)です!】
小田原三の丸ホールの事業「劇場留学」が今年も開催されます。昨年の『モモ』と時間の旅に引き続き、今年もミヒャエル・エンデ『モモ』を原作に、新たなスタッフ&キャストを迎えて舞台をつくります。タイトルは『モモ』と音楽の旅! 振付には前回に引き続き木原浩太さん、音楽家には新たに鈴木光介さんと高橋牧さんに加わっていただき、昨年とはまた違う『モモ』の世界にどっぷりと潜っていきたいと思います。
最近は”再演”というと、ちゃんと”再演”していて、レパートリーとして深化することが多かったんですが、そういえば2010年代に「クレンズド」や『絶対飛行機』をやっていた時は、毎度毎度まったく違う演出でリクリエイションしていたっけ。多和田葉子さんの『夜ヒカル鶴の仮面』もそういえば4パターンやってるから、そんなに久しぶりでもないか! とか思いつつも、『モモ』の可能性をまた新しく開いていいよ!という条件で創作できるのはとても嬉しいことです。ワクワク。
なので、今年3月の上演を見てくださった方も(出演してくださった方ももちろん!)、あの上演とはまったく違う『モモ』を別のレンズで照射していきたいと思いますので、ぜひぜひふるってご参加くださいね。ご応募お待ちしております!
私といえばすっかり小田原のお店に馴染んでしまい、インスタで小田原のお店を見ながら次の小田原いつだっけ~とか思うくらい、小田原に住み着くようになっています(笑) 小田原って、城下町で宿場町で、なんだからやっぱり素敵な魅力があるように思うのです。実は小田原ガラパゴス説なんかもあるらしくて、町のことももっともっと知っていきたいな~と思っています。小田原の面白いお話あったら是非教えてください。
随分本題からもズレましたけれども、『劇場留学~『モモ』と音楽の旅』はつまり、ミヒャエル・エンデと小田原の二度おいしい、そんな企画なんだと思います! 募集の詳細は公式ホームページでチェックしてくださいね。お会いできることを楽しみにしております!
(7月14日掲載)
【con-cenの新作『ガリバー!!!!!』東回りは7月26日・27日の2日間! 予約受付中。大人数で来れば来るほど信じられないくらいお得になる同乗予約も是非ご利用ください🎫】
「劇場の機能をまちにインストールして遊ぶ”con-cen”」の新プログラムは「JOURNEY」! 劇場を持ち出して旅に出ますよ。題材はジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』。スウィフトが残した旅行記を300年後に受け取ったガリバーの子孫である私が、ガリバーの旅を追跡しながら現代の旅をしていくという、ガリバー的SF? 3D絵本?
見どころは、なんといっても豪華3人の俳優による、それぞれの1人芝居創作! 稲継美穂、中條玲、矢野昌幸の3人がそれぞれにつくる旅の物語りを、お互いに継承しながら、最終的には、3人それぞれが独演として上演するというスタイルです。
7月の東回りは、中條玲と矢野昌幸の2バージョン。「台本は同じ」だけれども、まったくことなる2つのバージョンの見比べも是非お楽しみに。稲継美穂の登場は8月の西回り。
つまり、演出家の私は同じ原作から3つの新作を俳優それぞれと一気につくっているという、なんとも贅沢なクリエイションの時間を過ごしているわけです。3人の俳優たちとの作業にどっぷり没頭する夏を過ごします⚓
(7月9日掲載)
【あしば企画「障がいのある方と演劇の時間を過ごしてみるワークショップ」ゲスト最終回&発表会です 7月21日やまぎん県民ホール🍐】
「あしば企画」のワークショップ、ゲストでの参加が今回で3回目(最終回)! とはいえ、この間、発表用の台本をみなさんに覚えていただいたり、これからも山形にお邪魔する予定があったりで、なんだかとてもゆったりした気持ちで最終回を迎える予定です。
最後の3日間は手を動かしながら物をつくってみたり、覚えた台詞でどこまで遊べるかを挑戦したり、やっぱり演劇は舞台の上が楽しくなくっちゃと思いながら、参加者のみなさんといい時間を過ごしていきたいと思います。山形のおいしいごはん、企画者の安達修子さんとの対話も楽しみです!
(7月9日掲載)
【con-cenの『Wi-Fi』2回目の開催は7月17日@(仮称)コーミンカン!📶】
みんなで集まってWi-Fiを飛ばす(?)、con-cenのアイディア出しプログラム「Wi-Fi」第2回目です。前回の終わりは、劇場とは真空の宇宙(生命体がそのままでは生きていけない場所)なのではという議論につながり、とても盛り上がりました。その議論のあとA.C.グレイリング『月は誰のもの?』を読み、con-cenでつくっている『ガリバー!!!!!』にも大きな影響が!
Wi-Fi第2回目も集まったみなさんと一緒に対話をしながら、「劇場」ということをゆるやかに考えていきたいと思っています。初参加、二度目まして参加も大歓迎です。お待ちしております。
(7月9日掲載)
【con-cen『恋愛のあなた(たち)・断章』が「カナザワナイトミュージアム2025」に参加します🔮 10月3日(金)~5日(日)占いバージョンと劇場バージョン両方を楽しんでください!】
カナザワナイトミュージアム2025のプログラムが発表となりました~!
con-cenは『恋愛のあなた(たち)・断章』とともに、初の金沢での活動です。今回、とても贅沢なことに、石川県立図書館、金石町屋、そしてしいのき迎賓館というまったく違う3つの場所で3つの上演をつくるべく準備をしております。ひとつの上演作品からこんなにいろんなバージョンをつくっていいというのは、作家としてはとても嬉しいことです。
『恋愛のあなた(たち)・断章』は昨年5月に俳優の稲継美保さんとつくった作品。すでに、今年の春には木津潤平さんがディレクションする藤沢のランドスケープシアタープロジェクト:ブックシアターにて再上演をいたしました。
80のテキストと紐づく80枚のカードがランダムに引かれるので、まだテキスト数としては半分も出ていないのかも? 上演するたびに違う顔を見せてくれるという意味では、つくった私も飽きることなく本当に毎度ドキドキしたり、ミラクルに感動したりする作品です。金沢では、劇場に足を運んでもらう仕掛けの「劇場バージョン」に加えて、駅前の易者さんよろしく通りがかった方に「ふと」体験していただく「占いバージョン」をつくります。
もちろん、お気に入りの占い師さんめがけて占いをしにきていただくのも大歓迎です。
本の言葉って、どういう環境で、どういうタイミングで読むかによって、ぜんぜん聞こえてくるものが違うなと思っていて、その言葉の多声性みたいなことが運命的に立ち現れる上演になるといいなぁと思っています。
実は初演からテキストの配置換えが1カ所、新しいテキストへの入れ替えが1カ所あるんです。これも、今また私がバルトの『恋愛のディスクール・断章』を読んで響くところが違うということの現れなんだと思います。なので、ある意味、本当に未完。
春先に会場の下見に金沢にお伺いいたしましたが、本当に素敵な町です。なので、con-cenと共に旅をしてくださるみなさんも是非金沢にお越しくださいね。そして、金沢のみなさまとははじめましての素敵な出会いがあることを楽しみにしております!
con-cen「恋愛のあなた(たち)・断章」カナザワナイトミュージアム公式サイト
(6月25日掲載)
【ほころびオーケストラ『恋するロボット』がいわきアリオス(福島県)に登場するよ! なんと今回は大道芸人のせせらぎさんとのコラボです🤖🐑 7月5日・入場無料・予約不要】
今年もほころびオーケストラ『恋するロボット』の野外上演しますよ~。郵便配達ロボットのHO56Bが今回向かうのは、福島県いわき市にあるいわきアリオス+いわき市立美術館+平中央公園! 大道芸人のせせらぎさんも一緒に、新しい『恋するロボット』をお届けします。こちらは入場無料・予約不要。ふらりと立ち寄ってくださいね。上演の直前には、いわきアリオス内には「ロボットになる」ワークショップも開催予定🔩 いわきアリオスさんのウェブサイトを是非チェックしてみてください。ビンゾコ眼鏡博士もいるよ!
『恋するロボット』の上演のあとは、昨年に引き続き「おでかけアリオス」で影絵のワークショップでいわき市内の小中学校にお邪魔します。楽しみ!
いわきアリオス公式サイト ほころびオーケストラ『恋するロボット』
(6月24日掲載)
【くにたちでは、今年も『宇宙のヒト』を上演します🚀🚀🚀 8月3日上演、予約受付中】
昨年くにたち市民芸術小ホール(今年度からFSXホールに名前が変わりました!)でつくった『宇宙のヒト』。はやくもホールでの再演が決まりました~~~!
孤独な少年のひとり遊びから始まる壮大な宇宙の旅。今年も一緒におでかけしましょう。そして、なんと、この宇宙旅行には、国立市在住・在学の小学生/未就学児は無料で参加できます&それ以外の方、大人も500円で宇宙旅行! 暑くて外遊びも難しいかもしれない夏! ホールで涼みながら宇宙の旅をみなさんで楽しんでくださいね◎
(6月24日掲載)
【今年は「小さな劇場・少年の旅2『海のツブ』が小中学校のツアーに出ています(奈良県・三重県・和歌山県)】
レパートリー『海のツブ』が今年は小中学校のツアーに出ています。たくさんの子どもたちに見てもらいたい作品なので、とても嬉しいです。
6月にはさっそく奈良県の小学校にお邪魔して、4年生~6年生の約90人のお客様にお会いすることができました。そして、小学校6年生とは一緒に場面をつくって、本番の上演にも出演していただきました。みなさん、素晴らしかった~。
そして、振付・出演の熊谷拓明さん、新しい座組になった『海のツブ』ツアースタッフメンバー、とても心強く、楽しい癒し系ツアーの幕開けです。このあと年内は秋ごろに三重県、年明けに和歌山県に参ります。
たくさんの子どもたちと創造と海の旅に出られますように◎
初演:くにたち市民芸術小ホール、2023年 写真(初演時):遠藤晶
(6月24日掲載)
【con-cenのWi-Fiプログラムが始まりました。初回6月17日は終了、次回は7月17日(木)です📶】
昨年秋に立ち上げたcon-cenが今年は小さくたくさん動いていきます。新プログラムは「Wi-Fi」。con-cenが掲げる劇場の機能を分解して町にインストールするというワークを、参加者の皆さんと一緒に考えてみるプログラム。集まった方々それぞれから見えている劇場の姿、空間、導線、全然違って面白かった。第二回目も同じように集まった方々で意見交換をしていきますが、次回からの参加もまったく問題ないので、是非遊びにきてくださいね。そして、1回目の会の様子はcon-cenのmiroで公開中。是非、見てみてください~。
(6月24日掲載)
【シーズンラスト! HIRAKUで読む×大人の読み聞かせ・最終プログラム『棟方志功を聴く』です。6月14日(土)/15日(日)上演、予約受付中!】
HIRAKU 01 IKEBUKURO SOCIAL DESIGN LIBRARYで重ねてきた「HIRAKUで読む」シリーズ、5回目・シーズンラストとなる今回は、前回に引き続き、板画家の棟方志功を取り上げます。4月のプレ上演の後、あらためていろいろなテキストを読み返して、今、棟方志功を読むことの面白さに出会えたように思います。
このシリーズ、お題をいただいてそこからテキストの構成に入るのですが、演出家の作業としていろいろな本を読んで構成の台本をつくるということが面白い修行でした。考えてみれば、上演したいと思うものをこの短期間で上演しちゃうみたいなとても贅沢な体験で、ある種、日々の作業のようにこの1年半にわたりこの作業を続けてこられたことはとても幸運だと思います。そして最後に民芸運動ともつながりの深い棟方を読みながら、柳宗悦や河井寛次郎の言葉にも触れていった時間でした。そういえば、去年の3月は式場隆三郎でしたしね。
演劇における手仕事が何かということを考えていると、この「HIRAKUで読む」はまさに演出家の手仕事、俳優の手仕事という感じがしなくもない(シーズン初回のイリイチの「シャドウ・ワーク」も思い出されます!)。そして最後に、「毎日手を動かす」というような言葉にも出会って言ったのがとても印象的です。
毎日手を動かす。劇場で、稽古場で、作業机で。
舞台用に黒い板を刷りました。久しぶりに刷った感覚もとてもよかった。変な作品になりそうです。是非お運びください。
HIRAKUで読む&大人の読み聞かせ『棟方志功を聴く』公式サイト&チケット予約はこちらから
(6月9日掲載)
【FSXホール(くにたち市民芸術小ホール)多和田葉子 複数の私vol.8『さくら の その にっぽん』出演者+演出助手公募が始まりました! 締切:5月10日 本番日:11月2日・3日】
多和田葉子さんの作品上演をつづけているくにたちで2年ぶりに公募出演者と演劇上演をつくります。今回はチェーホフ『桜の園』の改作、『さくら の その にっぽん』です。
毎度、多和田さんの戯曲と向き合うと背筋がシャンとする、というか、難しい~、これどうやって上演するの~!!!と嬉しい悲鳴をあげるところから始まりますが、今回もそうです(笑)。でも、いつもとても楽しい。演劇の遊びに溢れたお稽古と上演になると思います。
前作vol.6『夜ヒカル鶴の仮面』では、くにたちで取り組んできた公募出演者との作品づくりのひとつの解を見たという感覚があり、今回はそのフェイズをあげるべく新しいことにも挑戦したいと思っています。
ひとつは、砂連尾理さんに振付での協働をお願いいたしました。とっても楽しみ!
もうひとつは、いつもよりすこーし稽古回数が多いです。多和田さんとチェーホフとの2作品を同時に読み込んでいくということになろうかと、少しハードルが上がっていますが、それでも、楽しくお稽古したいと思っていますので、怖がらずに応募していただけると嬉しいです。お待ちしております!
それから、演出助手の募集は稀です! ので、奮ってご応募ください~!
ーーーーー
―――かみは おんよみにすれば しんだ。 かみは しんだ。
―――そうだ かみは しんだ。 これからは なにもかもが にんげんの せきにんだ。
―――さくらやまに はいってくる にんげんたちが にくい。 たちいりきんし、 と かいたのに。 やまは すそのを ひろげて だれでも うけいれてしまう。
「多和田葉子 複数の私 vol.8」で挑戦するのは、2010年に多和田さんが「ひらがな」で書いた『さくら の その にっぽん』です。ずっと眺めていると、ひらがなで書かれたイタリア語のように発音したくなってくるのですが、ひらがなはやっぱり日本語のものかもしれないので、なんだかどこの言葉なのかわからなくなってきて、そういう言葉が喋られているこのお芝居は「ひこうじょう」から始まります。そして、このお芝居はゆうめいな げきさっか である あんとん・ちぇーほふさん が かいた さくらのその という おしばい の ほんあん なにか その もと みたいな もの が あったの が たわださん が べつの いのちを ふきこんだ ものになっているので、とても厄介です。
とても難しそうで、まだどんな上演になるのかわからないので、演出家の私もいったいどうこの戯曲を上演するのだろうと、とてもワクワクしています。
劇場とはいつもそういう場所です。どんな人が集まるのか、どんなことが起こるのか、わからないからこそワクワクする! 新しいことに挑戦してみたい方、人生で一度は演劇をやってみたいと密かにおもっている方、くにたちで活動してみたい方、たくさんのご応募、お待ちしております!
(4月12日掲載)
【大人の読み聞かせ 最新作! 『棟方志功を聴く』 4月27日(日)HIRAKU 01 IKEBUKURO SOCIAL DESIGN LIBRARY 予約受付中!】
第一部 monologue『棟方志功を聴く』
構成・演出 川口智子 出演 埜本幸良
第二部 dialogue ゲスト 浅見幸佑(一般社団法人ビーラインドプロジェクト)
予約はpeatixからお願いします→予約サイト
池袋にあるソーシャル・デザイン・ライブラリー「HIRAKU IKEBUKURO」さんとのコラボレーション「HIRAKUで読む」も今回で4回目を迎えます。
今回4回目と、シーズンラストを飾る5回目(6月14日・15日)のテーマは「棟方志功」です。
「版画は間接なる事に於いて成長する。直接なる肉筆とは対蹠的な所以に初めて版画は出発する。板性質に成長する間接なるが故の版画性、直接ならざるに依ってのみ、意義ある深大なる意味こそ真実なる版画の性質だ」棟方志功『板散華』より
わたしたち演劇人は他人の言葉をわざわざ覚えて、それを喋るという間接性において、その表現がある。このHIRAKUで読むというシリーズは、声に出される予定のないような書き言葉を、人が集まる図書館という場所を劇場化するようにして、わざわざ一緒に読む/聴くということをやっていて、これもまた間接性のようなものだと思う。
そして、今回は目が見えている人と、目が見えづらい人が一緒にこの劇場空間で「読む/聴く」ということをやってみようと思う。
「大人の読み聞かせ」シリーズをつくっていると、読む/聴くということもまた民藝的な手仕事であるということをよく思う。日常づかいの劇場のような場所を開きたいのかもしれない。
(4月9日掲載)
【今年はcon-cenも動きますよ! まずは4月29日(祝・火)BOX OFFICE『恋愛のあなた(たち)・断章』@藤沢/フジサワ名店ビル3F ブックシアター】
con-cenメンバー/俳優の稲継美保とつくった『恋愛のあなた(たち)・断章』を、建築家の木津潤平さんがディレクションしているランドスケープシアターのプロジェク「391Theatreプロジェクト」のブックシアターで上演します。
本に関わりのある本を、有隣堂さんのお隣スペースのブックシアターで上演できるのはとてもとても楽しみです。
劇場の機能を町にインストールするというテーマで活動予定のcon-cenでは、『恋愛のあなた(たち)・断章』を劇場窓口=BOX OFFICEと位置づけます。劇場にやってくるお客さんが最初に劇場の中の人と1対1で出会う場所、ボックスオフィス。どんな物語とどんな言葉とどんな何かと劇場で出会うのか、その入り口です。
情報公開はcon-cenのXおよびホームページでもしていきますよ◎
是非、チェックしてくださいね◎
(4月1日掲載)
【小田原三の丸ホール「劇場留学~『モモ』と時間の旅~」無事、終演いたしました。たくさんのお客様のご来場、本当にありがとうございました!】
2024年の7月の「おためしWS」に始まり、約半年。上演台本執筆に美術プランに、プレ稽古に2月・3月の本稽古に、と何度も何度も小田原に通い、最後は衣裳や道具の制作も含め3週間の小田原滞在になりました。
三の丸ホールからのリクエストとしては、子どもも大人も出演として参加ができて、かつ、子どもから大人までファミリーで鑑賞できるもの。その両立はすごくハードルが高いのでは?!と思いましたが、ミヒャエル・エンデの『モモ』という題材を見つけたことで、その解をひとつ提示できたのではないかと思います。
『モモ』は”ムズカシイ”と言われることもあったのですが、稽古場で子どもたち~大先輩までいろいろな経験の方々と一緒にエンデの言葉を読みながら、”ムズカシイ”の先にある喜びに至ったと思います。
振付、そして今回はBLW/553/cとして台詞をたくさん喋ってくれた木原浩太さんとは、ご一緒するのが2回目とは思えない息の合い方で、一緒にお仕事させていただいてとても安心感もあり、かつ冒険もできる。長い時間を一緒に併走してもらえて、本当に幸せでした。
出演者の埜本幸良さんと李そじんさんにも、いわゆるプロの座組ではないような公募出演者の方々へのアドバイスやクリエイション全体に関わる相談に乗ってもらって、かつ、二人の俳優さんたちの魅力にとても刺激をもらいました。
すでに会場で発表されたように「劇場留学第3弾」が決定となっています。詳細はお待ちください!という感じですが、これからも小田原の地域のホールとしてユニークな活動ができるといいなと思っています。
アフタートークでの長塚圭史さんとのお話も大変元気づけられました!
そして、今年も無事に歳をとりました♡ GPに迎えた誕生日。みんなにお祝いしていただき、感謝感謝です。大好きな作品の現場で迎える誕生日、最高です。
演目が『モモ』ということもあってか、高校時代の同級生や後輩、大学時代の後輩たちがファミリーで来てくれたりして、とてもとても嬉しかったです。3日間の公演、追加発売した2階席もほぼ完売して、最後にはキャンセル待ちの人気だったそうです。小田原のみなさん、遠くから来てくださったみなさん、本当にありがとうございました。
そして、関係者のみなさま、お疲れ様! またどこかで!
(4月1日掲載)
【川口智子×鈴木光介 新作公演 出演者オーディション 実施します】
詳細はこちらの特設ページからご覧ください。
募集開始:2025年3月28日(金)12:00〜
応募締切:2025年4月30日(水)23:59
書類審査結果通知:2025年5月1日(木)
(4月1日掲載)
【小田原三の丸ホール「劇場留学~『モモ』と時間の旅~」『モモ』毎週末・小田原でお稽古中です! 一般予約席完売につき、2階席のチケットを追加発売中!! お見逃しなく!!】
新年が明けてからすっかり更新が滞っていました! 明けましておめでとうございます~。今年もよろしくお願いします! (って、もう3月!)
新年1発目の投稿ということで、ブログスタイルで、『モモ』のお稽古場より、お写真をお届します!
1月上旬にプレ稽古2回を行い、いよいよ2月から本稽古が始まりました。と言っても、会社や学校に通いながら創作をする公募出演者のみなさんとのお稽古なので、お稽古は週末の2日間だけ、朝10時~18時の長丁場とはいえ、稽古回数も少なくて、毎回やることに溢れているお稽古場です(制作さんがとってくれた写真みると楽しそうにお稽古してます~(笑))。
今回、四日市でのミュージカル『回転木馬』に続く協働となるのが、振付・出演の木原浩太さん。『回転木馬』で初タッグ?!と驚かれた我々ですが、すっかり仲良く爆笑しながらお稽古しております。今回は振付だけでなく、出演もお願いしていて、とてもとても長い台詞もご用意させていただきました。台本書く前から、木原くんの役は明確に見えていて、もはやその部分は木原くんの声で再現されていたくらいなので、実際に演じてもらえてとても幸せです。面白過ぎて、出演者の小学生がひきつるくらいに爆笑しています。
それから範宙遊泳『心の声など聞こえるか』(2021年、初演)ぶりの創作となる李そじんさん。久しぶりにお稽古を一緒にするのが本当に嬉しい~! そじんさんと一緒に「物語る」を挑戦するのが本当に楽しみです。透明度の高い、というのか、プリズムのように変化するというのがよいのか、エンデの世界を読書体験のようにお客さんに届けられるように、私も頭を悩めるのです。
そしてわれらが(?)ほころびオーケストラでもある埜本幸良さん! ほころびは少人数組なので、今回はとてもとてもたくさん人がいる中で、幸良さんと一緒にお芝居をつくるのがなんだか新鮮な気持ちもありつつ、いろんなお芝居の形の人が集まっている今回の座組でも、本当に柔軟にすべてをお芝居で返してくれるのを見ていて、つい、笑顔がほころぶのです。
今回、上演台本をつくったのですが、それはなんだか読書が迷子にならないための栞のような存在で、結局はエンデの書いた世界そのものを創作していくことなんですね(当たり前なんだけど)。そうすると、エンデが書いたのは長い小説であって、演劇のための作品ではないから、台本としてはとても不完全というか、ちょっと形が大きすぎたり、足りてなかったりしている。けれども、それこそがエンデの物語りを舞台にすることだという気がしてきて、今、稽古場でそのことを実験しているんだというのが面白くなってきました。
つまり、もともとお芝居じゃないから、お芝居みたいなことをしようとすると途端につまらなくなる。けれども、『モモ』にしても『はてしない物語』にしても『鏡の中の鏡』にしても、エンデはいつだって「読者」という「観客」と、一冊の「本」を「舞台」にして対峙している。『はてしない物語』は圧巻。
なので、それをちょっと拡張するような、劇中劇ならぬ、シアターインシアターならぬ、物語in物語、そんな世界をつくりたいと思っています。
一般発売席はすでに全回とも販売が終了しており、現在2階席の販売をしております。公式サイトはコチラ。少し見下ろすような形になりますが、それはそれで全部みえちゃって(!)面白い席にはなると思いますので、どうぞお早目にご予約ください! また、初日には、長塚圭史さんとのトークもあります。私も毎日、劇場にいます。
是非『モモ』を観にいらしてください。劇場でお待ちしております!
(3月5日掲載)
【『モモ』本にまつわる関連企画に登場します 1月26日(日) 予約受付中】
『モモ』の上演に先駆け、小田原の素敵な本屋さん「南十字」さんでトークイベントに出演します。『モモ』やエンデの著作、それから「エンデの遺言」などについても話を広げながら、どんな舞台になるのかのお話もしていきたいと思います。お気軽に遊びにいらしてください!
(2024年12月26日掲載)
【小田原三の丸ホール主催『モモ』上演 2025年3月28日~30日 チケット発売中!】
2024年夏にオーディションを終え集まった26人の公募出演者のみなさん、振付家・ダンサーの木原浩太さん、俳優の埜本幸良さん&李そじんさんと『モモ』をつくっています。本格的なお稽古は2月開始ですが、すでにプレ稽古などの様子を三の丸ホールのブログで紹介しています。ずっと上演したかったミヒャエル・エンデの『モモ』。ついに実現です。
初日、3月28日にはKAAT芸術監督の長塚圭史さんをお迎えしてアフタートークもありますよ。チケットお早目にご予約ください。
3月の小田原はきっとお城のまわりの桜が満開!
(2024年12月26日掲載)
0コメント